青いブレスレット
「でも本当は、道が分かれる直前に渡そうと思ってたんだよ?」


「えーなんで?」


「だって、手え冷たいねって言いながらさりげなく手えつなげないじゃん」




水原くんが、困ったように笑った。


…もう、そんなこと言われたら、おかしくなっちゃうよ。




わたしは右手の手袋を外した。


「どうしたの?」


そして、水原くんの右手にそっと着けた。



「また右手冷たくなっちゃった、あっためて?」



…う、ちょっと大胆だったかな…?


水原くんは数秒わたしの顔をじーっと見たあと、また笑った。




「雪川さん、首寒いでしょ?」




水原くんはマフラーを半分くらい外して、外した分をわたしの首にそっと巻いた。




わ、なにこれ。


幸せすぎる。



顔が、いや、身体全体が熱くなってくる。



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