荒野に舞い降りゆくM氏
ふらふらなので、三笠さん・・・じゃなくて、石につまずいて転んでしまった。

「三笠さんっっ!!!」

・・・じゃなくて、『痛い』だった。

身を起こし、手のひらにじんわり三笠さん・・・じゃなくて、血が滲んでくるのを
見る。

と、

ボワン。

と音がした。

振り返ると、白装束で白ひげのヒトが立っていた。

仙人のような感じ。

いや、仙人を見たことがあるわけではないけれど、

きっと、実在したら、こんな感じっていう。

仙人は話しかけてきた。

「名前をありがとう」

「・・・はあ?」

「わしは数千年前に、悪い魔物に石にされておったのだ。
わしの名前を呼んでくれる者が現われたとき、呪いは解ける。
その呪いを、お前さんがついに解いてくれたのじゃ」

仙人は舞台の上で演技をするように、大げさな身振りと、でかい声で、説明し、

トガの方に、感謝のしるしに手を差し伸べた。


「・・・はあ」


トガは完全な温度差で応じた。

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