ビター アンド スノウ


「…さむっ」



思わず身体を硬直させ、身震いした。


寒い。本当に、寒い。
雪が降っていて、風が吹くたび涙の跡はひんやりするし。


何より、考えもなしにシュンちゃんの家から飛び出しちゃったから、アウターのチョイスを間違えた。

部屋着に薄てのジャケットなんて、この季節のこの時間には寒すぎる。



「…ばっかみたい。」



大体、タイミング悪すぎない?


わざわざこんな時間のこんな天候の時に言わなくたって、いーじゃん。
終電が終わってしまった時間に言わなくたって、いーじゃん。



1周年記念日前日に言わなくたって、いーじゃないかよ…。




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