そんなあなたは先生でした…(上)

いつもならこんなにずっと口付けをしないのに、今日は離さずにしている。


息が足りなくて、

陽を見て瞳で訴える。


一度離れて、

あたしは息を吸う。

「ハァッ…」

それなのに、またくっつく唇。

口の中に柔らかいものが入ってきて、

あたしの舌を絡め取る。


静かな部屋にはふたりの息遣いと
合わさる音が響く。


力が出なくて、

恍惚としている。


陽の唇は首筋へと流れてゆく。


くすぐったくて、

変な声が出て、


恥ずかしくて顔が熱くなる。





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