どうして私を選んだの?【完】
「…やばっ、超カッコいいじゃん!?本気で好きになっちゃったかも」
そう言った亜衣子ちゃんを見ると、興奮したように顔を紅潮させている。
私もドキドキがなかなか収まってくれなくて…。
彼がスタスタと私たちの前を歩きさってしまった後も、私の鼓動は休まることをしらなかった。
「あ、亜衣子ちゃん、あの人…名前なんて言うの?」
気づけば、ギュッと、亜衣子ちゃんの制服のシャツを握りしめそう尋ねていた。
最初、驚いたような表情を浮かべていた亜衣子ちゃんも、後からニヤリと楽しそうな笑みを浮かべながらこう言ったんだ。
「…え?……確か、北川遥斗くん、1年3組だよ」
って。