どうして私を選んだの?【完】
――――…
そして、文化祭1日目。
いよいよ、私たちの練習の成果を発揮する時がやってきた。
「みんな!優勝狙っていくわよ!今までしてきた練習の成果が出せるように頑張りましょう!!」
芦田さんのそんなかけ声に気合いも十分。
…私もあれだけ練習したんだから、大丈夫、大丈夫。
私は、自分にそう言い聞かせつつ、数回深呼吸をする。
亜衣子ちゃんと、巧くんからも激励を受けてきたし、失敗するわけにはいかない私。
ふと、周りを見てみると、いつも緊張のかけらさえ感じないはずの涼太までもが固まっている姿が目に入ってきた。