天神楽の鳴き声
「な、ど、うしたんですか!?若い!!」
「女性にそんなこと言っちゃ駄目よ。ま、確かに、若々しいでしょー。鳴桂を呼ぶと契約した時の年齢になってしまうからね。」

悪戯っ子のように舌を出して笑った。鳴桂は雛生を見ると懐かしそうに笑った。小さな鳴桂は雛生の元に駆け寄り膝の上に乗る。

「朱さま。会えて嬉しいです。」
「わかるでしょう?鳴桂。私達がしなくてはならないことが、」
「はい、似ています、力そのものが、光が、わたしたち精霊にとって好ましい薫り…」

でも、そう言って、鳴桂は顔を曇らせた。雛生は二人の話に置いてけぼりになっていた。似てるって、誰に似ているっていうんだろう。約束、というのは、そもそもどういうことなのだろう。

「抑えられているってことでしょう?この国の仕組みが、雛生さんを反乱分子とみなした、だから、」
「沚依、あんまり口に出すのは…禍を呼び込んでしまうことになります。…わたしたちはあげられるだけの知識を、そして、彼女が知恵として取り込み、運命を自分の力で生きるしかないのです」

鳴桂はふわりと沚依様の元に飛び、指先に触れた。祈るような視線が交錯したあと、沚依は溜息をついた。

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