隣のマネージャーさん。


「初めまして、蓮次の母です。いつも蓮次がお世話になってます〜‼︎これ差し入れなんだけど、良かったらみんなで食べてね‼︎」
「ありがとうございます。」

整った顔でニコッと優しく笑った蓮次くんのお母さんは、あたしを見た。

「あら、あなたが結愛ちゃんね?」
「あ…はい。」
「蓮次がね、“結愛は他の女子と違って、一緒にいて楽なんだ”っていつものように言うのよ〜?すごく珍しいから、一度結愛ちゃんに会ってみたかったの‼︎想像した以上に可愛い子じゃない!!」
「そんな…ありがとうございます。」
「まっ、礼儀正しいのね〜‼︎私はいつでも歓迎よ?ねぇ、蓮次‼︎」
「頼む、母さん。早く観客席に戻ってくれ。」

少し顔を赤くして、お母さんを見ずに蓮次くんが言った。

「あら、照れなくてもいいのに。」
「いや、照れじゃなくて恥ずかしいんだよ。」
「あら、結愛ちゃんと双子の悠くんはイケメンね‼︎」
「無視すんなよ‼︎いいから早く行ってくれよ……」

天然なお母さんに突っ込みを入れる蓮次くんに『冷たいわねー』なんて言いながら爽ちゃんの手を引いて、蓮次くんのお母さんはお辞儀をして去っていった。

「相変わらずお母さん綺麗だな、レジ!!」
「あのマイペースっぷりは直してもらいたいけどな…」

みんながワイワイする中、蓮次くんは溜め息をついた。



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