隣のマネージャーさん。

重い、思い、想い。



初戦の比良賀との試合に勝ってからの三坂高校バスケ部は良い流れに乗っていて、その後の試合も順調に勝ち進んでいた。

「試合終了ー!!」

今も、試合に勝ったばかり。

「お疲れ様です!!」
「よし、順調だな。」
「ヤスー、今日のプレー良かったぞ!!」

ヤス先輩もダイ先輩もいつも通りに戻ったし。

ただ、ダイ先輩はあの試合の後から試合には出ていない。

本人曰く、ちょっとはりきりすぎたらしい。

「はい、蓮次くん。タオルとドリンク。」
「ん、サンキュー…って、キモイからやめろ、悠。」

結愛みたいに俺を呼んだ悠からタオルとドリンクを受け取った後、ドリンクを飲む俺の顔を見ながら言った。

「声かけてきたのが、結愛じゃなくて残念だった?」
「っ!!ごほごほっ!!」
「あはは!!ごめんごめん、大丈夫かよ?」

ケラケラ笑う悠は、むせる俺の背中をさすった。

「お前なぁ……けほっ…」
「ん?何?」
「………別にっ‼︎」

悠から顔を背けると、結愛と同じように優しく笑った。

……図星、だったのかもなんて今さら思った。



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