はじめてを、おしえて。


「あれ、ゲリ子じゃん」


部室の裏で、たむろしていたのは……。


ボクに変なあだ名を付けた、同じクラスの女子達でした。


相手は3人。


人数から察するに、昼間トイレでボクの心の壁に侵食しようとした彼女達でしょう。


いやに胸が高鳴り、夏だと言うのに冷や汗がふき出します。


あれ、そういえばたしかボクのあだ名は『新便器・エヴァン下痢女』じゃなかったかしらん。


いつの間に『ゲリ子』に改名されたのか。


ボクが知るはずもありませんでした。



「何してんの、こんなとこで」


「邪魔だよ。帰りなよ」



女子達は言います。


彼女達は皆、同じようなメイクで同じような顔をしていました。



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