俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋


 私は赤くなった顔を隠そうと俯いた。

「で?」

 急にマッキーが話を振ってくる。

「へ?」

 驚いて顔を上げる。赤い顔を隠すことはすっかり忘れていた。

「なんだったんだよ、今日の電話は?」

「…あ」

 なんのことか思い当たって私は声を上げた。

 謝ろうと思ってシナリオを考えたんだけど、ドキドキしすぎて頭の中から飛んで行ってしまった。

「えーと…」

 シナリオの内容を思い出そうとするけど、何も浮かんでこない。

 何も言わない私にマッキーが眉間に皺を寄せた。

「わっ、忘れちゃった!あはっ…あははっ」

 誤魔化してみるけど、マッキーはまだ眉間に皺を寄せていた。

「…嘘つくな。目が泳いでるぞ」

 マッキーが私の顔を覗き込んで、低い声で言った。

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