俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋



「ど、どこに!?」

『だからぁ、Y高校に』

 私が通うK高校とY高校はフェンスを挟んでお隣同士。だけどK高校はマジメな学校。Y高校は県内でも有名な不良高校。

 共学の筈なのに、男子しかいない学校なんだ。

「行きたくない」

 私が言うと、相手はクスクス笑った。

『じゃあ、俺が携帯もらっちゃっていいんだ?』

「嫌だ!」

『帰してほしいなら、自分から取り返しに来いよ』

「う…」

『明日、Y高校の屋上な』

 私は言い返せずに、受話器を握りしめていた。

 体の中が熱い。熱いのは、怒りのせい。あんな奴にビシッと言い返せない情けない自分に対する怒りと、あんなことして楽しんでるアイツに対する怒り。


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