俺様ヤンキーくんとのキスから始まる恋



「な、なんで持ってるんですか!?」

『なんでって…キスしたときにポケットから抜いた』

 そういえば、今朝はポケットに入れっぱなしだったっけ。

「ねぇねぇお姉ちゃん、迷惑電話だった?」

 逞が私のスカートを引っ張って聞いてきた。

「違うから」

 受話器のマイクの方を手で押さえてから、逞に小声で言い、私はまた受話器を耳に当てた。

『携帯。返してほしい?』

「もちろん!あれがなきゃ困るもん!」

 私が言うと、受話器の向こうで相手は笑った。

『そう来なくっちゃ。じゃあさ、明日の昼休み、Y高校の屋上に来い』

 私は驚いて、

「え!?」

 素っ頓狂な声を上げてしまった。


< 23 / 288 >

この作品をシェア

pagetop