らぶピクチャー(完)
それやのに、こうやって病院で一人病気と闘ってるんやて思ったら、少し感動しそうになった。
お父さんもお母さんも、病院には来てくれへんのやろか?
「あ、もしもし?」
男の子の声が少し弾んだ。
よかった、無事に電話できたみたいやな。
「お母さん、お父さん元気?」
そっと後ろを向いて、その場を離れようとしたとき、後ろから「うっ」という声が聞こえた。
振り返ると、そこには今、嬉しそうに話をしていた男の子が苦しそうに悶えてるのが目に入った。
「だっ、大丈夫か!?」
慌てて男の子に寄り添って、背中をさする。
でも、男の子は俯いて唸ってるだけで、何も状況が変わってへん。
「すみません!誰か!誰かぁ!!」
看護師さんや先生たちが駆け寄ってきて、男の子は連れて行かれた。