シンデレラタイム2 教会で逢いましょう
私は父とともにバージンロードを歩く。
視線の先には婚約者がいる。
両脇には、母や親戚、仲のよい友人たちがいる。

彼の手をとり、神父の前に立つ。

恒例の誓いの言葉。
讃美歌が歌われて、式が進んでいくのを静かに待つ。





バターン!





後ろの両開きの扉が開く。
息を乱した見慣れた恋人の姿がそこにある。

彼は笑っていた。

さげられたままの花嫁のヴェールが、私と婚約者がまだ誓いをしていないことを知ったから。





来たんだ。

本当に。





「来たよ」

彼は言った。

「うん」

私は頷いた。

私も笑っていた。
手をのばす。

彼がその手を握りしめた。
二度と離さないと言うように。

婚約者がなにか喚いたが、私たちには聞こえていなかった。

教会が騒然となった。

でも、もうそこに私たちはいなかった。

本当に来るわけないと、思っていたのに。
来てしまったんだもの。

彼はなんて素直で無垢な心の持ち主なのだろう。

私は、これまでの人生で積みあげてきたすべてのものを捨ててしまったけれど。

構わないと思った。

彼の純粋さには敵わなかったから。





「教会で逢いましょう」

あの約束を本気にしてしまう彼に。





―おわり―
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