不思議の国の俺。
確かに、落とし穴のようだという

印象は受けたが、まさか

本当に落ちたとは。

あぁ、俺は馬鹿だ。馬鹿だ。

…あれ?これ、底、あるのか…?

俺は、ずっと落ち続けていた。

暗い、穴の中。浮いているような感覚。

何故だか、ひどく気持ちが良かった。

…と思った瞬間、どすん、と尻餅をついた。

それで、今に至るのだが…

___周りの景色を、一言で

表すならば、『奇妙』そのものだった。

穴の底ではなく、森の中だった。

しかし、森は森でも、

物語に出てくるような、メルヘンな

森だ。色とりどりのキノコ、

顔のある木、喋る花。

もう駄目だよこれ。死んだんだ。

しかし、森の天国なんて聞いたことが

ない。じゃあ、地獄か、、、?

そんな事を考えながら、立ち上がった。

その時だった。

「きゃあ!!あなた誰!?」
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