タブーなおつかい


一番奥の部屋の扉を開けると、そこにはメガネを手で直しながらこっちをみて笑う彼がいる。


田崎主任だ。


「持ってきた?」


「……はい」


指定されたのは「キスの歴史」という本。


顔を真っ赤にしながらその本を渡すと、満足そうに頷いて私は即座に主任の腕の中。


埃っぽいこの奥の部屋はフロアの中でもすっかり忘れ去られたような存在で、その異空間な環境に体が燃え上がってしまう。


主任はこれまで何人の子をここへ連れ込んだんだろう……なんてそんな事すらどうでもいい、メガネの奥に光る瞳の魔力に勝てない。


「じゃ、本に従ってキスのレクチャーからしよっか」


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