『無明の果て』
帰りがけ、専務は私を呼びとめ


「市川、近いうち時間を作ってくれないか。

ここでも、外でもいいんだが。」


「わかりました。」


そう言って、私を送り出してくれた。


私は仕事が終わるのを待って、近い将来の仕事仲間を食事に誘った。


挙式以来の再会は、心おどり 途切れる事のない話題に まるで学生の頃のように、夢を語り続ける。



「先輩、頑張りましょうね。」


そう、もう後にはひけない。



もう一軒行こうと店を出て、三人並んで歩き出した時



♪~

ずっと側にいるなら
寂しくはないはずだから…

♪~



忘れられない歌が、聞こえてきた。



「ねぇ、今の歌…」


「え?
私、何か歌ってました?」


「ずっと側にいるなら…って…」


「あぁ、今気に入ってる歌なんです。

先輩知ってるんですか。」


「いや…

何ていうタイトル?」


「たしか…楽園…かな。

インディーズで人気らしいです。
私も友人から教えてもらって、ちょっとはまってます。

しびれる歌ですよ。」
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