密恋。~リスクのある恋~
その時だった。
私の指に絡む、堀内くんの指。
「!ほ、堀内くん…!」
「…何でだよ?バカ過ぎる。…俺も、おまえも。今さら想いが通じるなんて―――」
「!」
指と指との間を撫でられるたびに、私の身体はゾクゾクと反応してしまう。
「あの頃、伝えれば良かった…」
「や、やめてよ…っ」
「…止めらんねぇ。やっと触れたのに。5年…我慢してたんだから。ずっと、おまえのことが頭から離れなかった―――」
「…っ」
イケナイことってわかってるのに。
それ以上は拒否できなかった。
…いや、拒否したくなかった。
もっと、触ってほしい―――
「…邪魔。」
「っ」
スルリと私の薬指からリングが抜かれる。
…絢斗と私を繋ぐ、ペアリングが。
カツン、と手すりの上にリングが置かれる。
…堀内くんのはめていたリングとともに。
まるで今の私たちみたいに、落ちるか落ちないかのギリギリのラインに、二つのリング―――。