密恋。~リスクのある恋~
「…ゃ、っ」
リングが抜かれた薬指が堀内くんの口内に含まれ、ゾクッとした甘い感覚に襲われた。
つい今まで絢斗とのペアリングがあったその場所を、その証を消すかのように、堀内くんは舌を這わせていく。
ざらざらとした舌の感触が何とも言えなくて――…気持ちいい。
しばらくその快感に身を委ねていた。
つつ、と堀内くんの唇と私の薬指に銀の糸が繋がる。
「…最初で最後、だから。」
「―――…」
「…マジでおまえが好きだった」
「―――」
胸が苦しくて、切なくて、嬉しくて…涙が溢れてきてしまった。
…堀内くんのことが好きって気持ちが蘇り、溢れる。
「―――…私も…ずっと、あなたのことが本当に好きだった…っ!―――でも、もう………っ」
遅い。
私たちにはお互いに結婚を約束した相手がいるんだから。
私たちが触れあうことは、許されない。
どんなに望んだって、無理なの―――
両手で顔を覆った瞬間、堀内くんの手が私の手首を掴んだ。
そして、顔からその手を離した瞬間、
「!ん…っ!」
堀内くんの唇が私のものに触れた。
それは、私たちがタブーを犯した瞬間だった。
…拒むなんて、考えもしなかった。
全てを、何もかもを吸いとられるかのように触れられ、絡まり合う―――。