オレ様専務を24時間 護衛する


「おい、松波」

「あっ、はい」


退社し帰宅した俺ら。

松波は夕食の準備をしている。


「今日の晩ご飯は何だ?」

「今日は金目鯛の煮つけと貝のお吸い物。厚揚げの胡麻わさびかけと彩り野菜のナムルですが」

「んー」

「他にお召し上がりになりたい物はございますか?」

「いや、いい」

「左様でございますか」

「ジョギングしてくる」

「はい、いってらっしゃいませ」


俺は食事の用意が整うまで

近所を走るようになっていた。


アイツと過ごすようになって

毎日24時間一緒にいる。


『仕事』とは言え、

アイツは苦ではないのだろうか?

何ひとつ文句を言わず、テキパキとこなす。


最近は会社でも秘書業務を

自ら進んでしているようだ。

気が付くと、いつも書類が整理されている。


それに自宅と同じで、

俺の行動パターンを予測して

スタイリッシュに仕事をこなす。


マジでアイツは何者だ?!

ただ者じゃねぇ事は確かだな。


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