オレ様専務を24時間 護衛する


もしかして、バレてないの?

本当に私が『女』だと気付いてない??


それとも、彼女連れの昼間の彼は、京夜様とは全くの別人?

………そうなの?



脳内を『?』が物凄い勢いでグルグル回り、

出るはずの無い答えを探し求め、

胸の奥が悶々をしていた。



踵を返し、玄関のドアノブに手を掛けた

次の瞬間―――――――!!



「そう言えば、松波」

「ッ?!!………はい?」


数メートル離れた所から悪魔の言霊が響いて来た。

一瞬にして身体が凍りつく。

何故か、彼の声音は呪詛のように

私の心臓を一刺しで貫く。


そんな私は冷静を失い、狼狽えながら

スローモーションのように声がする方へ振り返ると、


「今日は楽しかったか?」

「えっ?」


意外にも柔和な表情で問いかけて来る。


「久しぶりに『女』に逢って来たんだろ?」

「………女。そう……ですね」


言葉の意味がすんなりと入って来ない。

彼の口から『女』という単語を聞いただけで

身体が無意識にビクッと反応してしまいそうで。


上手く返答出来ずに苦笑すると、


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