オレ様専務を24時間 護衛する



凍りついた空気を打ち破るかのように

ポケットの中で携帯が震え出した。


内容を確認すると、母親からのメール。



――――――――――

希和、何かあったの?

帰って来たかと思ったら、

慌てて帰るから心配するじゃない。


もう、御影さんのお宅には着いたかしら?

京夜さんには、

両親が宜しく言ってたって伝えるのよ?


それから、次のお休みの時は

もう少しゆっくりして行ってちょうだいね?


――――――――――



メールを読み終わり、膝から崩れ落ちた。


私は一体、どうしたらいいの?

彼に、土下座して許しを請う?

それとも、憤慨する事を承知でこの仕事から降ろさせて貰う?


でも、そもそもこんな他人事、私には関係ないわよね?

そうよ、そうよ!!

私には関係ない!!


彼が誰と結婚しようと、関係無い。


あっ、でも……。

限りなくゼロに近いけど、

昼間の彼が、京夜様でなかったら?


――――――――私は自ら墓穴を掘る事になる。


本当に、何をどうしていいのか分からない。


私は意識朦朧としながら

重い足取りで自室へと向かった。



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