オレ様専務を24時間 護衛する


「こんなオモチャ1つで世界の御影が手に入るんだもの、これ以上のモノは無いでしょ」



彼女はあのヘアピンを抓み上げ、悪態を吐いた。

―――――この俺様の目の前で。


一瞬で消え失せる記憶と心。


彼女の面影すら思い出せないほど、

俺は膝から崩れ落ちそうになった。



目の前で高笑いしながら通話中の女。

この俺様を騙し、誑かし、

そして、俺の好意を土足でズカズカと踏みにじりやがった。



フツフツと湧き起こる怒りの感情。

言葉で表せないほど、俺は憤慨していた。



『女』なんて、所詮『害虫』

俺の人生には存在しなくていいモノだ。

……何故、忘れていたんだろう?


ギュッと拳を作り、

女の後頭部目掛けて殴りたい衝動に駆られる。


だが、白昼堂々ここで拳を振るえば、

確実に明日の朝刊の一面は俺に違いない。

いや、今日の夕刊に間に合うかもしれないな。


抑えきれないドス黒い闇の感情を寸での所でグッと堪えると、



「あっ、そうそう!ちょっと聞いてよ!この私があの男にキスさせてやろうとしたら、どうしたと思う?」


今まさに、俺の怒りのゲージが………――……


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