オレ様専務を24時間 護衛する


夕食後に晩酌用のつまみを用意していると、

京夜様がキッチンに姿を現した。


「如何されました?」

「……今日はツーリングしない事にした」

「どこか、ご不調でも?」

「いや、気分的に……」

「………そうですか」


――――気分的に?

それって、機嫌が悪いって事?


えぇ~……。

それじゃあ、聞きたいのに聞けないじゃない!


機嫌の悪い時ほど、恐ろしいモノは無い。

……特に、この人に限っては。



隣りでカクテルの準備をする彼を横目で見ながら

私は手際よくおつまみを用意した。


すると、


「お前も飲むか?」

「え?………あ、いえ、結構です」

「………そうか」


昨日に引き続き、今日も誘われた。

もしかして、1人で飲むのが嫌なのかしら?


私が来る前までは1人で飲んでたのに?



脳内に疑問符が飛び交う中、

出来上がった料理をリビングテーブルの置く。


そして、その前にグラスを置き、腰を下ろす彼。


そんな彼の顔色を窺うと、

格別、機嫌が悪い感じはしなかった。



だから……――……。


< 486 / 673 >

この作品をシェア

pagetop