オレ様専務を24時間 護衛する


2時間程車を走らせ、かなり山奥までやって来た。



「一仕事してから昼食にするけどいいか?」

「へ?」


俺の言葉に首を傾げる彼女。

そんな仕草1つでも、男装していた時と違って見える。


「まぁ、着いたら分かるさ」

「はぁ………」


暫くして、俺は山奥にある農園に車を止めた。

車から降りた俺は迷う事無く助手席へ。

けれど、一歩遅かったようで既にドアは開いていた。


「足下気を付けて」

「あっ、はい////」


農園の駐車場は整地されておらず、

躓きそうな大きさの石がゴロゴロしていた。


車外に出た彼女に、


「寒くないか?」

「はい、………大丈夫です」


相変わらず、俺に敬語を使っている。

それが、何とも切なく感じた。



山奥にある農園。

一面に広がる敷地全て同じ所有者。

俺らは受付へと歩み進めた。



昨日、母親に彼女の好物や好きな事を色々教わった。


彼女は俺と同じく、肉より魚、魚より野菜や果物が好きらしい。

そんな情報を得た俺はすぐさまネット予約をしていたんだ。


< 576 / 673 >

この作品をシェア

pagetop