オレ様専務を24時間 護衛する


『自分で決めたからには責任を持つ』


これは、幼い頃から両親に言われて来た事だ。

だから俺は母親に、気持ちの整理がつくまで

結婚の話は待って貰えないか……とお願いをしていた。



そして、今日。

俺はその話をする為に実家を訪れた。



母親から事情を聞いていた父親は険しい顔つきで俺を見る。

けれど、俺も委縮などしていられない。


使用人がテーブルに珈琲を置くと、


「少しの間、席を外しなさい」

「はい、承知致しました」


父親傍付の使用人が会釈し、退席する。


テラスとリビングを繋ぐ扉がバタンと音を立てた。

それを合図に父親はカップを手にして、


「最後に確認しておくが、お前に選択の権利は無いぞ」

「はい」

「それに、離婚を前提の結婚も許さない」

「はい」


俺は間髪入れず返答すると、


「京夜!」

「母さんは黙ってて。俺が………決めた事だから」

「…………もう、何て不器用な子なの……」

「……………ごめん」



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