借りられたい【TABOO】
夕方4時30分。
大きめのカーディガンを羽織って、本を片付けに行く。
「本 戻してくる。借りる本も見てくるから、ここに居てね」
「わかった。お前、俺が元の場所にいないと迷子になるからな」
迷子になんてならない。向かう先にはあなたがいるから。
ただ、さ迷っている。
この先 ずっと想志といる 色あせた平凡な道と、この先 どうなるかわからない 目の前にあるカラフルな恋に溺れる道の狭間で。
本当の元の場所って?今の場所?新しく作る場所?
いつも、疑問だらけ。
だけど、もう 私の足はあなたの元へ。
乾いた心と体を潤したくて。


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