HELLO,goodbye.
"なんのきっかけで思い出すか、 思い出すかも分かりません"
いつか似たような台詞を聞いた気がする。
どっちみち、医者は何の頼りにもならないとい うことだけは分かった。
病室に行ってみれば
「………」
ずっと繋がれていた管の数は減っていて
マスクもなければ 楓の胸も自分で動いている。
一定のリズムで動いている。
それを見て
実感し、確信する。
楓はこの世界に帰ってきたんだ、と。
そして
私のせいで一度ズタズタになったこの楓の命を もう二度と傷付けてはいけない、と。