HELLO,goodbye.

"なんのきっかけで思い出すか、 思い出すかも分かりません"


いつか似たような台詞を聞いた気がする。

どっちみち、医者は何の頼りにもならないとい うことだけは分かった。



病室に行ってみれば


「………」


ずっと繋がれていた管の数は減っていて
マスクもなければ 楓の胸も自分で動いている。

一定のリズムで動いている。


それを見て

実感し、確信する。


楓はこの世界に帰ってきたんだ、と。


そして

私のせいで一度ズタズタになったこの楓の命を もう二度と傷付けてはいけない、と。



< 15 / 33 >

この作品をシェア

pagetop