HELLO,goodbye.
「「……………」」
自分が呼び掛けておいて黙り込んでしまった私。
看護師はそんな私を 黙ったまま待ってくれていた。
(今更なにを躊躇しているんだろう。しっかりしろ、純。)
どうせもう、後戻りなんてできないんだから。
(――…フゥ)
私は小さく深呼吸をする。
深く息を吸って拳に力を込めて。
「楓の携帯に"関谷(セキヤ)"という人の番号が入ってます」
私は静かに、確実に言葉を繋ぐ。
ポケットから楓の携帯を出す。 もう私の記憶は存在しない携帯だ。
「その人にこの病院を教えてください」
頼み事をしているわりに態度の悪い
我ながらイヤな女だと思う。
だけど、どうでもいい。
頼みを聞いてくれさえすれば私は消えるから