HELLO,goodbye.
それが楓と話した最後だった。
そして今その男は、私の目の前で意識さえ失っているなんて。
「……だから言ったじゃない」
『まともに向き合えば殺される』
『アイツは頭がおかしいから』って。
私を愛して狂ってしまった"アイツ"は
誰よりもあんたを、私の心を奪った楓を
憎んでいたんだから。
『問題ない すぐに終わる』
そう言って、あの憎たらしいほど綺麗に微笑んでいたのだって、昨日のことなのに。
「…なに不意打ちされてんのよ」
"終わらせる" と。
楓は昨日、私の家に押しかけてまでそう言った。
それから何時間か後、
楓の番号しか入っていない私の携帯が鳴って。
耳に当てれば、知らない女の声。
"自分は看護師だ"と。
そう言った女の声に私は息が止まった。