友達の彼
友達の彼
しーんと静かなこの部屋


時折耳に届く音は、紙をめくる音と紙の上を走る鉛筆の音。



目の前の彼は真面目に勉学に励んでいて、

私はと言うと、ただぼんやりと悪戯に本のページをめくっていた。



それにしても、…眠いな。

そっと欠伸を噛み殺す。



「ねぇ、あっちゃん、ちょっと別の本借りてくるね」


私はそう彼に声を掛け、席を立った。


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