お隣さん家のお兄ちゃん
レベル01
 
思えば昔っから、私は理央くんに振り回されっぱなしだった。
有名になる!!とか言って家を出て行ったかと思えば、何故か教員免許なんて取って帰ってくるし。
真夜中に突然やって来て、家に入れて貰えないから泊めてくれなんて申し出はしょっちゅうだし。

私は高校生になって、理央くんも28になったというのに、私達の関係はこんなにも何も変わらないままだ。
……と、隣に眠る理央くんの寝息を聞きながら、私はそんな事を考えていた。



携帯を開いてある男に電話を掛ける。
なんか文句のひとつでも言ってやらないと気が済まなかった。
もしかしたら女と寝ているのかも知れない。でもそんなの関係ねえ!
私は電話帳から「遼」の名前を引き出すと、携帯を耳に当てた。


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