この世の全てが敵だとしても
久実は…。
いったい、どうするのだろうか。
あの子は、案外やることが怖い。
チラリと寄越した久実への視線は、久実には気づいてもらえていないようだ。
久実の視線は、今や中西にしか向けられていない。
不自然に緩む私たちの唇。
私たち以外は皆、友だちと話していて、その中のたった2人が笑っているのになんて
誰も気がついていない。
勿論、中西でさえ。
そんなことよりも、話を聞かない生徒たちにイラつくが、叩かれる怖さで何もできないせいで、更にイラつくのを我慢するので精一杯のようだ。