ピエロ-私と中年男の記録-
情け
なぜ、すぐに病院に行かなかったのかは分からなかったが、とりあえず、抱きかかえられ、ソファに寝かされた。

父は仕事で不在。

母は

「姉ちゃんいけるん(大丈夫か)、姉ちゃんいけるん。」
と、何度も呼び掛ける。

私はショックすぎて、声が出ない。

新聞のおっちゃんと母が、話し合い出した。


きっと、軽い火傷じゃないから、処置に困っている。
話は解決したようで、薬を塗られた。



私は同情されたくないから

「痛くないよ。」


と、なんとか言ってみせた。


新聞のおっちゃんはきっと辛い顔をしている。


私は顔を見なかった。
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