青空、ハレの日☆年中ハレバレ
「まぁ、落ち着きなよ。それに数学ってさ、解き方は色々あるけど辿り着く答えは一つなんだよ。そう考えればちょっと面白くない?」

 そう諭す仙太に、空兎は冷たい視線を送る。

「それってさぁ、デキる人の発言だよね~。せっちんに数学に迫害された人の気持ちなんてわかんないよ!」

「知らないよ!」

 不毛な言い争いが勃発し、思わず熱くなってしまった空兎はクヲンの足を手放してしまう。

 その隙にクヲンは飛び去っていってしまった。

「あ・・・・・・」

 気づいた時にはもう遅い。あるのは彼の靴跡と、抜け落ちた数枚の白い羽根だった。

「い、行かないで~~~~~!!」

 クヲンが飛び去った窓に手を伸ばす空兎。やがてその手が力なくがっくりと落ちた。

(まるでどこかの舞台女優のようだな・・・・・・)

 今の空兎の様子を見て、仙太はそう思う。

 そして全ての望みを失ったように項垂れる空兎。その胸の内に秘める絶望感は計り知れない。

 空兎は、覚悟を決めて涙でぐずぐずになった顔を仙太に向けて懇願した。

「せっちん~~~~~、数学教えて~~~~~!!」

(最初からそうすればいいのに・・・・・・)

 ようやく勉強する気になったのかと、仙太は苦笑し、すっかり落ち込んでしまった彼女を励ますように告げる。

「なら、今から死ぬ物狂いで特訓だ! ついてこい空兎!」

「うぃっす!」

 空兎の目に輝きが戻り、ついでに闘志の炎が宿った。
< 30 / 33 >

この作品をシェア

pagetop