はんぶんこ

二編 疑惑


今日はいつもと同じ学校と部活のある日で、私は授業と部活をいつも通りにこなし帰宅しようとしていたときだった
「三好さん、ちょっといいかな?」
私に話しかけてきたのは同じクラスで、スラリと整った顔立ちが特徴の堀野結花ちゃんだった。
普段あまり話すことのない結花ちゃんに話しかけられた私はちょっとびっくりしながらも話を聞くことにした
「いいよ!」
すると、結花ちゃんの表情が変わって私にこんなことを聞いてきた
「ねえ、三好さん?三好さんの両親って多くのスポンサー失って今じゃ無名な演奏家なんでしょ?」
私は一瞬自分の耳を失った…
結花ちゃんってこんなに性格の悪い子だったの? いつもはもの静かで控えめな子だと思ってたんだけど…
が、次の結花ちゃんの言葉に私は抱えた不安なんて吹き飛ばされた
「ちょっと…そんな怖い顔しないでよ。私は三好さんの力になりたいの」
「力って…?」
「私が三好さんにいいバイト教えてあげる!そうすれば三好夫婦の活動の少しの手助けくらいにはなるでしょ?私三好夫婦の演奏大好きなの!ちょっとでも力になりたいんだ!」
私は嬉しかった、お母さん達の演奏をこんなにも楽しみにしてる人が身近にいたから
「ほんとに!?嬉しいな!どんなバイト?」
「今度の土曜日にあって話そうよ!」

私はすんなりと了承し、帰宅した。


そのとき私は何故気付かなかったんだろう、
スキャンダルもされていないスポンサー解約を何で結花ちゃんが知っていたのか、そして

あの結花ちゃんの口角のあがった黒い笑みに…
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