双子の姉妹の マキとマイ
私はそんなことを願うことも許されないの?



願うだけよ。


祈るだけよ。


ただそれだけだから。



「マキ様…。元気を出してください」


「あぁ、大丈夫よ。ちゃんと王座は継ぐから。ちゃんと執務もこなすから。ただ酔ったときくらいは本音を言わせてよ」


わかってる。


ちゃんと、わかってる。


どうにもならないことを。


私が王の娘に生まれてしまったんだから仕方ない。


それに、私が王の娘じゃなかったら。



きっと、みんなには会えてなかった。



私はみんなに出会えた事実だけで十分。
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