週に一度だけ


背中に回る彼の掌。
触れられる度に身体が震えて、力が抜ける。

静かな空間に私の切なげな声が響く。
それを隠すかのようにまた塞がれる唇。


互いの吐息しか聞こえない空間に、鳴り響いた携帯の着信音。
待ち合わせている彼からの電話。


慌てて離れた私に、今までキスをしていた男は私の耳をそっと撫で、


「続きは来週ね」


それだけ言って勿体ぶるように首筋をゆっくりと一撫ですると、
何もなかったかのように去って行った。



続きは来週。って……


鳴り続ける電話に出る事も出来ずに、去って行く背中を見つめた。



彼氏がいるのに。

彼氏がいるくせに。



きっと、私。

来週も―――
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