※ただし、あたしは大嫌い。




「何言ってんの若宮?
佐倉くんがSなわけないじゃん」




佐倉くんが出て行った教室で若宮に言う。





「一応だよ、一応。とにかくイニシャルにSがつく奴は全員容疑者だからな」




容疑者って。





「…それよりお前、佐倉と二人きりで何してたんだよ」





視線を再び鋭くした若宮が、あたしとの距離を若干詰めながらそう言った。





「何って別に、脅迫状のこと話してただけだよ」




「…ほんとに?」



「ほんとだって…言っとくけど佐倉くんには彼女、」




彼女いるから、と言いかけた瞬間唇が重なって。






「…お前が他の男と話してたってだけでムカつく」








唇をはなした若宮が、切なげにあたしを見つめてそう言った。







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