虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


目から零れ落ちる涙。


止めようとしても止まらなかった。


ごしごしと目元を強引に拭い、膝に顔を埋める。


夕餉はいらないからいっか・・・


どうせ藤堂さんは戻ってこないだろうし、寝てしまおう。


そうしたら・・・この涙も、寂しさも消えてなくなるかな?



近くに置いた写真の父と母は何も答えてはくれなくて――――


静かな部屋に、虚しいほどの静けさが漂った。


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