虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「じゃあ、あいつらの周りを囲んで、一気に突っ込む!」
意気込んで、顔を輝かせながら作戦を話す藤堂さん。
みんなその作戦に同意したので、わたし達は、偽壬生浪士組の周りを取り囲んだ。
金銭を上手く巻き上げられたことに舞い上がって、わたし達の存在に気付いていない。
こいつらに“油断大敵”という言葉を教えてやりたい。
取り囲んでも、みんな一応目の届く範囲にいる。
だから、合図も直ぐに伝わる。
合図をするのは、沖田さん。
わたしは沖田さんのいる方を見つめた。