虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「もう直ぐ着きます。 たぶん、そこに芹沢さんも――――」


山崎さんの言葉は、わたし達の鼻を掠めた煙の臭いで遮られた。



「何か、燃えてますよね・・・?」


「こっちですっ!!」


ダッと走り出した山崎さんを慌てて追いかける。


そこは・・・


やはり、大和屋だった。



燃えている大和屋を背景に、鉄扇を片手に持って仁王立ちの芹沢さん。


その近くで泣き崩れているのは、店主だろうか?

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