虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「また、後で行くわ。でも・・・」
――――その時、あの人はまだ居るんやろか?
そう言った、お梅さんの顔は、これから起こる事を全て察しているようだった。
その表情を見ると、もう何も言えなかった。
生きていてほしい。幸せになってほしい・・・
そんなこと、わたしには言えない。
だから――――
「なら、早く行ってあげてください」
少し、きつめに言う。
わたしには、これしか言えないから。