虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
「俺は、今まで隠してきたことがあります」
「隠してたこと?」
さっきとは違い、澄んだ綺麗な目でわたしの顔を見つめる藤堂さん。
この事実を知ったら、冷たい氷のような目でわたしを見るのだろうか?
「俺は・・・男ではありません。今まで騙してて・・・隠していてすみませんでした・・・」
わたしは、藤堂さんに頭を下げた。
藤堂さんの顔なんて、見ることが出来なかった。
一言も口を開かない藤堂さん。
その様子に、拒絶されるのかという恐怖が募る。