虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「敬助はん・・・うちのこと、嫌いなん?」



少し、目に涙を浮かべて俯く明里さんだが・・・


あれは、絶対に演技だ。


山南さんの所からは見えないのかもしれないが、わたしからはばっちり見える。


だって明里さん・・・笑ってるから。



「好きですよ、嫌いなわけありません」



その言葉に、山南さんに明里さんは飛びついた。


幸せそうな二人を残し、わたしは部屋を後にした。

< 479 / 858 >

この作品をシェア

pagetop