虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~


「なんで・・・なんでここに、いるんだよ・・・」



隣にいる、平助君と誠さんは、頭を抱え座り込んでいた。


そっと、山南さんの前に立った土方。


震える口から、搾り出した言葉。



「――――山南敬助、切腹を申し付ける」



その言葉にも、山南さんは動じない。


恐れも、絶望も・・・ただ、笑っているだけだった。



「分かりました。でも、死ぬ前に明里に会わしてください」


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