虹の向こうへ~君と見た空をもう一度~
『可哀想に・・・』 『まだお若いのに』
親戚や人々のすすり泣く声。
『どうして泣いてるの?何でお父さんはこんな箱に入ってるの?』
涙を堪えながらわたしは呟く。
『どうしてお父さんなの!?お父さんは死んでなんかない!』
堪えきれなくなって泣き叫ぶ。
棺に入ったお父さんは安らかな顔をしていた。
眠っているかのような顔。
まだ10歳だったわたしには、父親が死んだという現実を受け止められなかった。