わらって、すきっていって。

いや、えっちゃんにはきっといつかバレるだろうと思ってはいたんだけど。覚悟はしていたんだけど。

でも、ちょっと予想よりもかなり早かった。


「いいじゃん。性格良さげだし。健康的な好青年って感じ」

「うん……」

「もー心配しなくても誰にも言わないってー! また今度、ゆーっくり話聞かせてね」

「……ハイ」


話といっても、走っているところを見て、一目惚れして、たまたま同じクラスになりましたってだけなんだけどな。

こないだまで名前すら知らなかった。そう言ったら、えっちゃんはとっても面白がりそうだ。



「――おーい、名前書いてないやついないかー?」


ニマニマが止まらないえっちゃんに慰められながら机にうなだれていると、ふと先生の声が聞こえた。

気付けばもう黒板の前には誰もいない。まだ名前書いてないのに!


「は、はいっ。書いてないです!」


しまった。がたっと立ち上がったわたしに、一気にクラス中の視線が集まった。

思わず視界の端を確認する。本城くんのほう。さすがに直視する勇気はないけれど……。

そしたら案の定、本城くんもこっちを見ているんだもん。わりと本気で消えてしまいたいよ。


「お、安西(あんざい)だけか。もう保体委員しか残ってない……な。保体でいいか?」

「は、はい! なんでもどんとこいです!」

「おお、そりゃ頼もしいな。じゃあ保体委員、よろしくな。本城と一緒に」

「はいっ!」


……はい?
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