ハンドパワー

「ゴメン、これ以上答えられない
ありがとね、待っててくれて」

そして私は走って帰った。


「お帰り〜
どうしたんだよ!?」

帰り道、新くんを思い出しながら泣いていた。

やっぱり自分はなにもしてない人を、平気で怪我させる人なんだって。

理解できた。

「上脱げよ」

何も話さない私に、そういうハルさん。

「いやだよ…」

見られたくない。

真っ赤な体操服を。
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